Razer Orbweaver [02]
前回の「本体の分解」に引き続き、「Razer」製【Orbweaver】のキースイッチ&LED交換作業について備忘録として記載する。
■キースイッチ交換&LED交換
●用意した物
ニッパー/プラスドライバー/マイナスドライバー/ヤスリ
▽ZF electronics社(旧Cherry社)製 メカニカルMXスイッチ単体
MX黒軸 基板固定ピン付 (キートップ無) MX1A-11NW
MX茶軸 基板固定ピン付 (キートップ無) MX1A-G1NW
※Cherry軸には「固定ピン無し」と「固定ピン有り」があるが、「Orbweaver」で使用しているのは「固定ピン有り」なので注意。尚、更に「Aタイプ」「BCタイプ」「MCタイプ」というのがあるが、これらはキートップの種類に由る違いで、何れもキースイッチ自体は全く同じ物。今回のようにキートップやLEDが不要(別途用意)で軸だけが欲しい場合、どのタイプの軸を使っても物は全く変わらない。(固定ピンの有無のみ注意)
※Cherry軸を単体で販売しているショップは意外と少ないので、念の為此処で紹介しておこうと思う。今回小生は「株式会社ジェイダブルシステム」にて購入している。Cherry軸単体の入手方法をご存知ない方の参考になればと思う。
▽ノーブランド 砲弾型LED Φ3mm
青色
順電流(IF) : 50mA(max) / 順電圧(VF) : 2.9~3.6V
光度(IV) : 12,000mcd / 半減角(Angle) : 30°
波長(λd) : 465~475nm
白色
順電流(IF) : 50mA(max) / 順電圧(VF) : 2.9~3.6V
光度(IV) : 22,000mcd / 半減角(Angle) : 30°
波長(λd) : -
赤色
順電流(IF) : 50mA(max) / 順電圧(VF) : 2.0~2.4V
光度(IV) : 20,000mcd / 半減角(Angle) : 30°
波長(λd) : 620~630nm
LED光拡散キャップ(赤色)
※LEDは超高輝度の場合リード線(脚)に放熱板が付いている事があるが、Cherry軸への取り付けに関しては放熱板があっても問題はない。
赤色LEDは順方向電圧が低いが、「Orbweaver」を使用する際は【Razer Synapse】で輝度を落とすので、『何とかなるだろう』という素人考えで採用に踏み切った。若し早々に切れてしまうような事があれば、白色LEDに「LED光拡散キャップ(赤色)」を被せて代用する予定。(その際はこの記事に追記する)
尚、Cherry軸のLEDは一般的なΦ3mmよりも若干小さいようで、そのままだと取り付け後にキーパッド前面のカバーが閉まらなくなってしまう。その為、取り付け前にヤスリ掛けが必要であった(削ったのはレンズ下部の段差と頭部分)。
▽白光株式会社 (HAKKO)
ダイヤル式温度制御はんだこて FX600-02
こて先 2C型 T18-C2
こて台 No.633-01
はんだ吸収線 FR120-05
※「Orbweaver」基板のスルーホールのランド径は、キースイッチ側が凡そΦ1.8mmでLED側が凡そΦX.Xmmであった。そこで、こて先は一般的な付属品の「B型」ではなく、別途「C型 2mm(2C)」を購入してみた。(当初「D型」にする予定だったが、丁度良い寸法が無かった為「C型」としている)
▽太洋電気産業株式会社 (goot (グット))
両面プリント基板用はんだ (共晶) SD-61
プリント基板用フラックス (無洗浄RMAタイプ) BS-75B
レンズ付き作業台 ST-92
※今回の作業はスルーホール実装の為、はんだはサラッと溶け(流れ)易い「共晶はんだ」を購入してみた。(鉛フリーはんだは粘度が高く融点も高いようなので、今回は敬遠した)
▽サンハヤト株式会社 (Sunhayato)
はんだシュッ太郎 (45W) HSK-200
交換用先端チップ Φ1.0mm T-23
※「はんだシュッ太郎(45W)」に標準で付属している先端チップはΦ1.5mmのみ。然し、キースイッチ接続はんだの除去には丁度良かったが、LED接続はんだの除去には大き過ぎたので、別途径の小さな交換用先端チップも必要だった。
前回記事でも予め断りを入れているが、電子回路基板の取り扱い(はんだ付け含む)に関する“知識”及び“経験”は一切ない。上記道具の選択に関しては誤りもあるかも知れないので、小生と同様「はんだ素人」の方は参考程度とし、鵜呑みにはしないで頂きたい。また、下記はんだ付けの仕上がりに関しても、決して『これが正解』とは思わないよう、ご注意願いたい。
●手順
①はんだ吸い取り器を使い基板裏面側からはんだを除去し、LEDとキースイッチを取り外す。(先にLEDを外さないと、キースイッチ(だけ)を外す事は出来ない)
※上手くはんだが吸い上がらなかった(スルーホール内部にはんだが残ってしまった)場合、極少量の新しいはんだを加えてから再度試すと、綺麗に吸い上がる。
②新たなキースイッチをはんだ付けする。(LEDの手はんだ推奨条件としては、概ね『こて先温度 300℃前後以下(物により250~350℃位の幅あり)、3秒以内』である事が多いようなので、こて先温度は320℃に設定してみた)
※スルーホール実装での “はんだの上がり” を良くする為には、フラックスをスルーホール内に塗布し、スルーホール内壁と部品のリードを十分に温める事を意識すると良いようだ。(然しはんだ付け動作は速やかに行わないと、フラックスがスルーホール内壁に焦げ付いてしまい、はんだが流れ込むのを阻止してしまうので注意)
③新たなLEDをはんだ付けし、余分なリード線をニッパーで切る。(LEDには極性があるので、基板表面に「+」とプリントされている方に長い方のリード線(アノード)を接続する)
※リードカットは基板裏面から3mm以内とし、厳密にははんだ付けの前に行う事が望ましいようだ。
④「Orbweaver」を一旦PCに繋ぎ、動作(キーの反応&LEDの点灯)を確認する。
⑤問題が無ければ、再度「Orbweaver」をPCから外し各パーツを組み立て直す。(キースイッチが傾いていたりLEDが浮いていると、キーパッド前面のカバーが閉まらなくなるので注意。クリアランスは結構シビアなので、小生は何箇所かはんだ付けをし直す事となった)
以上で「Orbweaver」のキースイッチ及びLEDの交換作業は完了。
一番奥の「02~05」キーは咄嗟に使うようなマクロは登録しないので元の【青軸】【白色LED】とし、左上の「01」キーは全マップ共通で「アプリケーションの終了」を登録しているので、わざと押下し辛いように【黒軸】【赤色LED】とした(可能であれば【緑軸】にしたかったのだが、今回は単体での入手が出来なかったので已む無く【黒軸】とした)。他のキーは今回の作業の最大の目的である【茶軸】【青色LED】としている。
今回ははんだ付け関連の道具を丸々揃える必要があった為、結構な出費になってしまったが、今後も使えそうな物を選んだ積もりだし色々と良い勉強になった。作業自体は特にトラブルもなく、すんなりと正常に使える状態に仕上がったので、本当に安堵しているし満足もしている。
※最後に、今回のはんだ付けの勉強の為、参考にさせて貰ったサイトを紹介。
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