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March 2010

2010.03.22

SAPPHIRE VAPOR-X HD 5870 1G GDDR5

事の発端はしばらく前にさかのぼるが、「AMD」の【ATI Radeon HD5XXX】シリーズがVGAとしては初めて、Blu-rayのロスレス音声のHDMIビットストリーム出力に対応した。
そこで小生も将来的な「ドルビーTrueHD」「DTS-HDマスターオーディオ」対応環境への移行を視野に入れ、それまで性能的な不満も覚えていたRadeon HD4670からRadeon HD5XXX系へのビデオカード交換を思い立つ。

しかしながら、現在使用しているPCケースは「Cooler Master」の【Gladiator 600(RC-600-KKN1-GP)】なので、シャドウベイからPCIのブラケット迄の距離が実測で270mmしかない。

Gladiator_600_01

Gladiator_600_02

その為、搭載可能なビデオカードサイズ(ボード寸法)と、PCI Express 用補助電源のコネクタ向きが限られてしまう。当時は未だHD5830も発売されていなかったので、選択肢としてはHD5850かHD5870の二択だった。

Hd5850

Hd5870

当初はボード寸法から【HD5850(W242mm)】を考えていたが、「SAPPHIRE」のHPにて、同じ【HD5870(W280mm)】でも【VAPOR-X HD5870】であればW267mmしかない事に気付く。
問題はPCI Express 6ピン補助電源×2のコネクタ向きだけれど、Webで事前に調べた結果マザーボードとは垂直方向である事を確認出来た。

Hd5870_vaporx_01

Hd5870_vaporx_02

Hd5870_vaporx_03

Hd5870_vaporx_04

そこで早速、「SAPPHIRE」の【VAPOR-X HD 5870 1G GDDR5 PCIE DUAL DVI-I/HDMI/DP】を購入。
ところが、購入したビデオカードを箱から出して実際に手に取って見ると、PCI Express 6ピン補助電源×2のコネクタ向きがマザーボードに対して平行に付いていた!!??
つまり、ビデオカード自体はぎりぎりスロット(PCI Express 2.0×16)に挿す事が出来ても、補助電源ケーブルを取り付ける為のスペースがない事になる。(設置とは関係ないが、基盤の色も違う)

Hd5870_vaporx_rev2_03

Hd5870_vaporx_rev2_04

しかし、運よく丁度良い位置にシャドウベイのスリットがあったので、そこを通して補助電源ケーブルを繋ぐ事にした。
スリットにコネクタを通す為、邪魔になるコネクタの接続フックを切り落とし、接続完了。実際の接続状況は以下のような感じ。

Pc_01

Pc_02

本当は同一ビデオカードを更にもう一枚購入し、CrossFireなども試してみたいと思っていたけれど、このままでは何となく釈然としない。その為、PCI Express 6ピン補助電源×2のコネクタ向きの違いについてしばらく調べていて、最近ようやく違いが分かった。

SAPPHIRE VAPOR-X HD5870は発売後に一部修正(revision)が行われており、小生が購入したのは修正後の「Rev.2」だったようだ。
また、問題なのは購入時リヴィジョンを区別するのに必要となる型番だが、旧VAPOR-X HD5870は「21161-03-50R」で、新VAPOR-X HD5870 Rev.2が「11161-03-50R」。(老番/若番が逆なので注意)

PCI Express 6ピン補助電源×2のコネクタ向きは、旧VAPOR-X HD5870がマザーボードに対して垂直で、新VAPOR-X HD5870 Rev.2がマザーボードに対して水平。その代わりボード寸法も異なっていて、旧VAPOR-X HD5870がW267mmなのに対し、新VAPOR-X HD5870 Rev.2はW257mmと10mm短くなっている。

Hd5870_vaporx_rev2_01

Hd5870_vaporx_rev2_02

(いずれの写真も上が旧VAPOR-X HD5870で、下が新VAPOR-X HD5870 Rev.2)

ところが、新旧では性能にも若干の違いがあるようで、その内容は以下の通り。

Vaporx_hd5870_01

Vaporx_hd5870_02

今現在発売されているものは皆「Rev.2」のようだし、若干ではあるが性能上にも差があるとの事。もし今後同一ビデオカードでCrossFireを組む事になったら、今のPCケースのままでは再度補助電源ケーブルのコネクタ加工が必要になりそうだ。

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2010.03.17

ケーブルインシュレーターの作成 [02]

ケーブルインシュレーターの素材には、加工のし易さから木材を選択。

家で簡単な図面を引いて、適当な木材を見繕いにショップへ。当初は「黒檀」を想定していたけれど、良い木材がなくて「本紫檀」とした。

今回用意した材料は以下の品々。

①本紫檀 : W60×H70×D30、W35×H70×D30/15mmφ
上記2サイズの部材をそれぞれ3組ずつ、ショップで加工して貰った。
Cable_insulator_02

Cable_insulator_03

木曽興業(株) : fo.Q シート (TA-52)
音響機器用、高性能制振テープ。スピーカーケーブルから発生する微振動を、効率良く吸収する為の物。※スピーカーケーブル作成時の余り

東京防音(株) : 粘着付防振パッド (HR-283)
天然ゴムで作られた、防振/滑り止め/保護材。
Cable_insulator_01

早速、既に加工された部材のケーブル設置面にfo.Qシートを貼り、底部分に防振パッドを貼って完成。
Cable_insulator_04

実際にスピーカーケーブルを浮かせた状態がこれ。
Cable_insulator_05

Cable_insulator_06

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ケーブルインシュレーターの作成 [01]

先日スピーカーケーブルの交換をしたので、今回はそれに合わせてケーブルインシュレーターを作成してみようと思う。

ケーブルインシュレーターとは各種接続ケーブルを床やラックから浮かし、スピーカーその他から受ける振動の影響を回避する為のアクセサリー。
材質や形状は各社メーカーにより様々だけれど、物としては概ね以下のような感じ。

ACOUSTIC REVIVE : RCI-3
Acoustic_revive_rci3

Cardas Audio : Notched Myrtlewood Blocks
Cardas_notched_myrtlewood_blocks

Ayre : Myrtle Wood Blocks
Ayre_myrtle_wood_blocks

Combak(Harmonix) : Cable Support α-1
Combakharmonix_cable_support_1

REQST : RS-CUBIC
Reqst_rscubic

SUNSHINE : MCS-1
Sunshine_mcs1

石匠運慶 : インド黒御影石ケーブルインシュレーター
Photo

Eau Rouge : CP-CS
Eau_rouge_cpcs

購入した方が楽ではあるけれど、何れも結構な値段がする物なので、今回も自作で済ませてしまおうと思う。

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2010.03.13

スピーカーケーブルの交換 [03]

実際のスピーカーケーブル交換の手順はこんな感じ。

①先端から70mm位のシース(PVC)部分にカッターの刃を入れ、芯線の絶縁被覆(PVC)に傷を付けないように剥く。そして芯線と一緒に撚られている綿糸・紙テープも根元から綺麗に切り落とす。

Process_01

②片端からSFチューブを被せていき、両端をテフロンテープでしっかりと留める。切り詰めたSFチューブの端面は、軽くバーナーで炙って揃える。

Process_02

Process_03

③芯線部分の根元に、10mm幅のfo.Qシートを70mm程巻き付ける。多少は制振の意味もあるかも知れないけれど、シースと芯線の絶縁被覆の段差が余りにも大きいので、ワンクッション入れて径の差を緩やかにする為に巻いた。

Process_04

④スミチューブF12mmφを60mm程に切り両端に被せ、バーナーで炙って収縮させる。ケーブル本体の加工はここまで。

Process_05

⑤次に芯線の先端から10mm程度の所にカッターの刃を入れ、芯線に傷を付けないように一周させる。そして切り離した絶縁被覆部分を捻りながら、ゆっくりと抜き取る。すると、芯線には触れる事なく、綺麗に撚る事が出来る。

Process_06

Process_07

⑥剥き出した芯線部分にピンタイプの端子を装着し、スミチューブF7mmφを25mm程被せたら、バーナーで炙って収縮させる。これでスピーカーケーブルの端末処理も終わり。

Process_08

Process_09

最後に仕上がったケーブルをターミナルへと接続し、スピーカーケーブルの交換は完了。

Tara_labs

今回はフロントスピーカー(L/R)のみのケーブル交換とし、上記工程をスピーカーケーブル2本分、計4回繰り返した。未だセンターとリア(L/R)が残っているけれど、そちらは次回(来月)行う予定。

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スピーカーケーブルの交換 [02]

今回用交換するスピーカーケーブルは、「Nanotec-Systems」のGolden Stradaシリーズから、【G.S. #79 nano3 (GSC-4B)】。(切り売り)

0.18mmφ×50本のOFC銅線が[+/-]1本づつ、計2本撚り合わせてあり、シースの外径は10mmφ。特徴としては、超微細な金コロイド液に銀コロイド液を混ぜ、OFC銅線の表面に塗布してある点。この金と銀の微粒子による薄膜が、酸化・硫化など導体表面の劣化を防ぎ、長期間に渡り電気特性が安定するという。

また、音とは関係ないけれど、シースが柔らかくて非常に取り回しがし易く、ケーブルをすっきり纏められるのも嬉しいポイント。

Gs_79_nano3

そして、スピーカーケーブルの端末処理には、「TARA LABS(Space&Time)」の【Self-Attaching Pin (SA-PIN)】。先端部の径が2mm なのでプッシュ式ターミナルにも使用出来、また溝付きピンなので抜け落ちる心配もない。
(これは現在、メーカーにて生産終了品となってしまっている)

Selfattaching_pin

その他、今回用意した道具は、以下の品々。

住友電工ファインポリマー(株) スミチューブF(Z) : 7mmφ、12mmφ
電子線照射によるプラスチックの形状記憶効果を応用した熱収縮チューブで、加熱により、径方向に収縮する。(内径収縮率 50%)

品川商工(株) SFチューブ : 6mm
ポリエステル系繊維で編組した配線保護チューブ。(伸縮率 400%)

新富士バーナー(株) ポケトーチ (PT-14FFSK)
熱収縮チューブを加熱する為に使う。本来はヒートガンを使うべきなのだろうけど、結構な値段がする割りに使用頻度も低いので、これで充分。

木曽興業(株) fo.Q シート (TA-52)
音響機器用、高性能制振テープ。スピーカーケーブルから発生する微振動を、効率良く吸収する為の物。

中興化成工業(株) フッ素樹脂粘着テープ (ASF-110)
PTFE(フッ素樹脂、テフロン)切削フィルム基材を使用した粘着テープ。テフロンは誘電率・誘電正接とも極めて低いので、高周波絶縁材料に最適。

⑥カッター、カッッティングマット、ステンレススケール、ハサミ

Tool

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2010.03.12

スピーカーケーブルの交換 [01]

ここ数年、年齢の所為か昔と違い、硬い音に若干の疲れを感じるようになって来た。

今までスピーカーケーブルにはフラット(平行)型しか使用した事がなかったけれど、今回初めてツイスト(対撚り)型への変更を思い立つ。小生の持つスピーカーはバイワイヤリングには対応していないので、スターカッド(4芯)型は選択肢から外した。

各メーカーやシリーズによっても音の特性は異なると思うが、以下がスピーカーケーブルの構造による一般的な音の違い。


■フラット型(並行型)
[+/-]が1対の平行線となった最も一般的な構造。音質傾向としては概ね華やかで、明るく元気の良い傾向にある。
Flat_cable

■ツイスト型(対撚り型)
[+/-]が撚り合わせてあり、外来ノイズに対する安定感が高い構造。フラット型よりも落ち着いた、比較的マイルドな音質傾向。
Twisted_pair_cable

■スターカッド型(4芯型)
2対の[+/-]があり、対角線方向の1対をぞれぞれ並列に接続する構造。基本的には低域がパワフルに、高域がマイルドになる傾向にある。
Star_quad_cable

ちなみに、今現在使用しているスピーカーケーブルは、「inakustik(旧 MONITOR)」の【Cobra6S】。

Cobra6S は芯線断面積が6mm2 なので、残念ながらスピーカーターミナル側がプッシュ式だと、そのままでは接続する事が出来ない。そこで、端末処理には「DAYTON AUDIO」の【Speaker Pin Compression Type】を使用している。

Dayton_audio

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